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あぶくま抄(6月5日) 
 あまりに遅い。国の原発事故被害者への対応だ。三カ月近くもたつのに、何をしているのか。農業者も会社員も、多くの人が無収入の生活を強いられている。南相馬市で開かれた東京電力の説明会で、住民の多くは諦めの表情を浮かべた。
 補償の仮払いは夫婦二人でも、十人家族でも同額の100万円。事業者への仮払いは規模にかかわらず250万円だ。県内外に避難する市民は3万人以上いる。育ち盛りの小中学生の給食はおにぎりとソーセージなどだ。このままでいいはずがない。未曽有の災害に国のマニュアルは通用しないはず。
 「何をやっているんだ。茶わんを投げつけてやりたい」。全村避難の飯舘村で、避難先が決まらない繁殖牛農家はテレビ画面に映る不毛の争いに悲鳴を上げる。民主党内の覇権争い、与野党の攻防を見ていると、今何が必要か、政治家の目に入っていないことが分かる。ゴタゴタ続きでは対応がますます遅れる。
 国内、海外から支援が寄せられ、多くのボランティアが活動している。国は避難命令を出しっ放しで、対応には血が通っていない。政治への信頼が大きく揺らいでいる。前を目指す被害者の心がしぼんでしまう。

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2011.06.05 Sun l メディアリテラシー l top