上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top
http://www.niigata-nippo.co.jp/nipposho/641.html

 山開きのニュースが紙面に登場する時季となった。ぐずついた天候が続いているが、飯田蛇笏(だこつ)が「山塊を 雲の間にして 夏つばめ」と吟じたような、爽やかな空が待ち遠しい
▼ツバメは飛びながら、空中の虫を捕らえる。気温が低い日や雨のときは、虫が地面や水面近くにいることが多いので、ツバメも低空飛行になるとか。ツバメの仲間、イワツバメは特にその傾向が顕著で、「高く飛べば晴れ、低く飛べば雨」のことわざは本当だと、本にあった
▼ツバメが人家に巣を作る理由は、ほかの鳥にマイホームを奪われないためらしい。鳥は人を恐れるが、ツバメは人が危害を加えないと一方的に信じているのだ。しかも古巣を繰り返し使うことが多い
▼こんなに深い付き合いがあるからこそ、文学の傑作も生まれる。オスカー・ワイルドの「幸福な王子」は、南に帰ろうとするツバメが、王子の像に頼まれ、宝石を貧しい人たちに分け与えているうちに、帰りそびれて死ぬ話だ
▼幼いころ読み聞かせてもらって、「なぜ断らなかったのか」と思われた方もいるに違いない。「物質文明への批判」「自己犠牲の崇高さ」など、物語をさまざまに読み解けることが、衰えぬ人気の理由である
▼今夏、東北では、昨年まで使っていた巣を探すツバメの夫婦がたくさんいることだろう。残った建物で子育てできることを願う。小さい命でも、そばにあれば温かい。王子のように宝石を配れとは言わない。高く飛び、せめて好天を告げてほしい。拙い句を。「被災地に やすらぎ運べ 夏つばめ」
新潟日報2011年5月31日
..
関連記事
スポンサーサイト
2011.05.31 Tue l メディアリテラシー l top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。