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http://www.at-s.com/news/detail/100032208.html

5月29日(日)(5/29 07:34)

 作家の井伏鱒二は「つくだ煮の小魚」という名詩も残している。<ある日 雨の晴れまに/竹の皮に包んだつくだ煮が/水たまりにこぼれ落ちた>と始まるそれは、水の底に放たれた小魚たちはどれも目を大きく見開いて、ひれも尻尾も折れていないが、<あめ色の小魚達は/互に生きて返らなんだ>とうたっている

▼県内も梅雨に入った。台風が前線を押し上げ観測史上3位タイの早さという。長雨は厄介な土砂崩れを引き起こす。震災後はことに注意が喚起され、被災地をはじめ全国3万カ所余に黄信号がともっている

▼物憂い思いも募らせる時季だけに、同僚は約束事のたびに雨に見舞われ「雨男」「雨女」と呼ばれるとくさっている。紙おむつも乾燥機も普及する前、山のようなおむつを抱えコインランドリーに走ったことも思い出す。下宿の一人住まいでは洗濯もままならず“着たきり雀[すずめ]”を強いられたものだ

▼降りしきる雨は一方で強く叙情をかき立て、雨をうたった歌謡曲や童謡も数限りない。<雨がふります、雨がふる/遊びに行きたし、傘はなし>とうたう北原白秋「雨」はむしろ子供たちを外に誘って、ぴちゃぴちゃと遊ばせる

▼最近は長靴を履くのも子供たちだけになったかと眺めていたら、傘にも増してカラフルな雨靴がしきりに競い合っている。ブーツばやりも手伝っているのだろう、若い女性たちの敏感さは小気味よいほどだ

▼この時季はまた、気象予報の舞台裏では「トー・ゴー・サン」と呼び慣らすそうだ。10・5・3で、晴れれば10度、曇れば5度、雨ならば3度と日中の気温上昇の目安を指す。とまれ長雨は憂鬱[ゆううつ]そのもの、日常万般に「干天の慈雨」こそ歓迎したい。

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2011.05.29 Sun l メディアリテラシー l top
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