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http://www.iwate-np.co.jp/fudokei/2011fudokei/m05/fudo110524.htm

風 土 計

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2011.5.24

 久慈市の地下水族科学館もぐらんぴあで人気者だった、アオウミガメの「カメ吉」は今、八戸市のマリエントで避難生活を送っている。東日本大震災の津波で施設が被災し、多くの仲間を失った

▼3千匹いた生物のうち、水の濁りなどに比較的強かったカメ吉やオウムガイ、カブトガニなど約20匹が奇跡的に生き残り、八戸に疎開した。もぐらんぴあ再開の折には“希望の星”となるべき生き物たちだ

▼「引っ越してきて1週間ぐらいは、餌もあまり食べず、動きも鈍く心配した」と飼育スタッフの渡辺徹さん(32)。好物のイカの切り身のほかに、海草類をメニューに加えるなどの工夫で、ようやく食が戻りつつあるという

▼大水槽内での“テリトリー(縄張り)争い”も、カメ吉には初体験だったようだ。体格が同程度のドチザメ、ナメタガレイは警戒心が強く、なかなか仲間に入れてもらえなかった

▼渡辺さんらは、大型の魚類を別の水槽に分散するなど棲(す)み分けを実施。現在は、大水槽内をタイやヒラメと一緒に、悠々と泳ぐカメ吉のユーモラスな姿が、来館者の人気を呼んでいる

▼「今後、もぐらんぴあが再建したときには、カメ吉はじめ20匹が元気に戻れるように、大切に育てたい」。被災生物に注がれる、渡辺さんたちスタッフの日々の努力と情熱が心強い。

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