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http://www.kahoku.co.jp/column/syunju/20110523_01.htm

河北春秋
古い食器のかけら、服用薬の袋、チラシの裏のメモ書き。他人には何の価値もない。岩手県沿岸の町でそんな物を泥の中から掘り出していた人に会った▼「ここに家族が埋まっているかもしれない」。すぐ横まで自衛隊の重機が迫っていた。邪魔してはいけない空気を察してか、若い自衛官はショベルの方向を変えた

 ▼被災地のがれきが徐々に減ってきた。街は平時の様子に近づいているが、荒れた風景が身内と会える唯一の扉という人がいる。2カ月が過ぎ、ようやく形見の品を整理し始めた家族も少なくない▼陸前高田市の岡本幸子さん(63)から連絡をもらった。「主人の遺品に御社の社旗が」。夫の教司さんは長年、三陸沿岸早起き野球大会の事務局を務めていたが、津波に流され不帰の客となった

 ▼球場に掲げた旗や横断幕、36回に及ぶ大会パンフレットは教司さんが生きた大切な証しだ。震災後、あまりのショックで声が出なくなった幸子さんは今も事実を受け止められずにいる。「何一つ捨てられなくて」▼前へ前へと先を急ぐ復興の時流。後れを取ってしまう人たちに少し歩調を合わせてほしい。社旗は保管してもらい、パンフを1冊預かった。「半歩でも前に進めれば」と幸子さん。少し破けた高田の市旗は、プレハブの新庁舎に届けることにしている。

2011年05月23日月曜日
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