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http://www.iwate-np.co.jp/fudokei/2011fudokei/m05/fudo110520.htm

風 土 計

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2011.5.20

 作品を読みながら、現実の風景と錯覚した。パール・バックの「つなみ」(径(こみち)書房)。人々の愛で心が立ち直っていく再生の物語だ

▼舞台は日本の小さな漁村。海底火山の噴火によって津波が集落を襲い、少年は独りぼっちになった。彼を支えたのは親友の家族だった。成長した少年はある日、海辺に家を建て再び漁師を目指す

▼今回の大震災で同じ境遇になった人々を思わざるを得ない。かけがえのない家族や家を失った絶望と悲しみから立ちあがろうとする少年の姿が、苦闘を続ける目の前の無数の人々とオーバーラップする

▼パール・バックは日本滞在中、雲仙普賢岳の噴火と津波(島原大変肥後迷惑)を題材にこの作品を書き上げたという。名作「大地」を残した米国人作家が、日本人が持っている自然観や死生観を的確にとらえていることに驚く

▼「もしまた津波が襲って来たらどうするんじゃ」。この問いに少年は答える。「おれ、海の方に窓を開けたんじゃ。ちゃんと備えができる」。以前の家は海に背を向けて海側に窓を作らなかった。自然との共生を決意した鮮やかなエンディングだ

▼本は品切れになっていたが、大震災後に注文が相次ぎ版を重ねる。自然をあるがままに受け入れる日本人の生き方は、米国で出版された64年前から変わらない。

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2011.05.20 Fri l メディアリテラシー l top
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