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 天狗(てんぐ)と聞けば、子どもをさらう悪役の印象が強い。お似合いは薄暗い山中だ。しかし、三条市八幡宮の春季大祭で、大名行列に登場する「天狗様」はやや趣が異なる。初夏の明るい日を浴びて歩く姿は堂々とし、正義を担う主役の風格さえ漂う
▼これは例外かと思っていたが、長岡市の県立歴史博物館で開かれている企画展「博物館の怪談」を見て、考えを改めた。館蔵品の古文書「越之風車」に描かれている天狗は何とも人に優しいのだ。ガラス越しに見入ってしまった
▼五泉市慈光寺の天狗は、寺の飯炊き男を京見物に連れて行こうと、男を抱えて空を飛ぶ。三条市東山寺の天狗は、寺の屋根ふきをして住職を助ける。背に羽を持つのだから、高い所での作業はお手のものだ
▼天狗という言葉が初めて登場するのは「日本書紀」(小松和彦編「天狗と山姥」)だとか。以来、伝説や童話は数知れない。宗教学や民俗学の研究も多い。人間との付き合いが、長くて深い妖怪だ
▼「天狗の飛び損ない」ということわざがある。名人にも失敗はあるという意味だ。福島第1原発の事故を考えると、日本の原子力技術は「世界に誇れる」と「天狗になっていた」のだろう。内実は、枝から枝へと飛び移るような危うさで、「名人」の評判は地に落ちた
▼1号機だけでなく2、3号機も炉心溶融している可能性がある。圧力容器の底で赤く焼ける燃料棒は、鼻をへし折られた天狗の形相かもしれない。本県の天狗のように善良であれとは言わない。どうかこれ以上、飛び損なうなと願うのみだ。
新潟日報2011年5月19日
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2011.05.19 Thu l メディアリテラシー l top
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