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編集局長 手控え帳
新聞づくりの話から身の回りのよしなしごとまで、あれやこれやの雑記ノート
(55)渦の中で
 うかつにも、そこが東京電力の本店とは気づかなかった。

 つい先日、東京へ出張したときのことだ。日比谷公園近くの会場へ急ぐうち、異様な気配を感じた。警官の姿がやけに多い。機動隊の車がずらりと並ぶ。車を強制的に止める仰々しい車止めもあちこちに。

 警官の一人に尋ねた。「なにかあるのですか」。警官は近くのビルを見上げて、小声で言った。「ええ、街宣車の警戒です」

 恥ずかしながら、その視線をたどって見上げ、やっと事態がのみこめた。それが東電の本店だった。通信用の巨大な塔が屋上にある、紙面でも見た建物である。

見回すと、テレビ各局の中継車が並び、各種のコードが建物内へ伸びている。厳しい視線で警備員が来訪者をチェックする。

 頑丈なつくりのこの本店で、原発事故の対策が練られ、記者会見が日々開かれている。いわば日本の未来を左右しかねないビル。マスコミ各社が24時間体制で記者をはり付けているビル。世界が注視する渦のど真ん中に立っていたのだ。

 心なしか、付近の歩道に人影は少ない。会議に遅刻しないよう、歩を早めると、デモ隊か街宣車か、大音響のスローガンが遠くから届く。ビルにこだまして内容は聞き取れない。

 会議中、余震で建物が揺れた。そこへまたスピーカーの大きな声が届く。

都心。巻く渦は重苦しく、大きい。(林)

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(2011/04/19)

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2011.04.21 Thu l メディアリテラシー l top
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