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1.論文:安倍内閣の「骨太方針」と「日本再興戦略」の医療・社会保障改革方針を読む

(「二木学長の医療時評」(114)『文化連情報』2013年8月号(425号):14-20頁)

はじめに

安倍内閣は6月14日、次の3文書を閣議決定しました。(1)「経済財政運営と改革の基本方針(以下、「骨太方針2013」または「骨太方針」)、(2)「日本再興戦略」、(3)「規制改革実施計画」。3文書はそれぞれ、経済財政諮問会議「骨太方針(仮称。素案)」(6月6日)、産業競争力会議「成長戦略(素案)」(6月5日)、規制改革会議「規制改革に関する答申」(6月5日)をベースにしています。「骨太方針」が決定されたのは、麻生内閣時の2009年以来、4年ぶりです。ただし、小泉内閣~麻生内閣時代は「骨太の方針」と呼ばれていたのに対して、今回はなぜか「骨太方針」が略称とされています。

本稿では、これらのうち主として「骨太方針2013」と「日本再興戦略」に書かれている医療・社会保障改革方針を検討します。ただし総花的検討は避け、小泉・福田・麻生内閣時代の「骨太の方針」、および民主党内閣時代の一連の類似した閣議決定(特に菅内閣が2010年6月に閣議決定した「新成長戦略」)との異同に注目します。結論的に言えば、「骨太方針2013」は、小泉内閣時代の「骨太の方針」の部分復活と言えますが、全面復活ではなく、福田・麻生内閣時代の「骨太の方針」、さらには民主党・菅内閣の「新成長戦略」との類似も少なくありません。「日本再興戦略」で示されている医療・社会保障制度改革方針の多くは、「新成長戦略」の焼き直し・二番煎じで新味に欠けますし、「新成長戦略」の場合と同じく、それらに大きな経済成長効果はありません。

3つの閣議決定の「格」の違い

両文書の内容の検討に入る前に、「規制改革実施計画」を含めた3つの閣議決定の「格」の違いについて述べます。新聞報道ではこの点が見落とされ、3つの閣議決定、特に「日本再興戦略」に書かれている個々の改革方針が注目されています。しかし3つの閣議決定の素案・原案をまとめた経済財政諮問会議、産業競争力会議、規制改革会議の法律上の「格」の違いを無視して、各文書に書かれてあることを「ピンポイント」で議論すると、大局を見失います。

まず、経済財政諮問会議は内閣府設置法第19~25条に設置根拠があり、内閣総理大臣が議長を務める一番「格上」の組織です。次に、産業競争力会議は経済再生本部の下部組織で、議長は内閣総理大臣が務めますが、経済再生本部は法律ではなく閣議決定に基づく組織で、経済財政諮問会議より明らかに「格下」です。さらに、規制改革会議は内閣府設置法第37条第2項に基づく政令「規制改革会議令」で設置された「審議会」にすぎません。議長は民間人で、もちろん内閣総理大臣も出席しません。

以上の3組織の違いから明らかなように、先ず検討すべきは一番「格上」の経済財政諮問会議「骨太方針」に書かれていることです。



http://www.inhcc.org/jp/research/news/niki/20130801-niki-no109.html#toc1

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2013.08.15 Thu l 二木立 l top
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