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2012年5月25日号 
JUST Opinion
医療計画の策定
策定「理念」を考える
市ヶ谷隆雲
 平成18年6月に第5回医療法改正が公布されてから5年が経過した。平成25年からの第6回の改正を向かえ、厚労省は3月末、都道府県に医療計画及び作成指針の医政局長通知を発出した。この特徴は従来の4疾病5事業から精神疾患と在宅医療が入り、5疾病・5事業及び在宅医療(以下5疾病・6事業という)を対象として、医療推進体制が新しく策定されることになる。見直しに当たっては、疾病・事業ごとにPDCAサイクルの手法を用いて効率的・効果的な医療体制を構築することが示された。また、医療審議会の下に作業部会を設置し、その構成に医療・介護サービスを受ける患者・住民が記載されたことは快挙だ。5疾病・6事業に指標を用いて評価を行うが、これはドナベディアンの有名な医療の質の評価指標であり、期待したい。

 今回は特に歯科に関する配慮がなされた。「在宅医療の体制構築に係わる指針」の中で、歯科については「在宅歯科医療の役割について、歯科口腔保健は患者の生活の質を維持していく上で、基礎かつ重要な役割をはたすものである」とされた。また、5疾病・6事業それぞれの医療連携体制の中で、口腔とその機能の状態及び歯科疾患の特性に応じた適切かつ効果的な歯科口腔保健の推進が求められる」と明記されている。この期に医療基本法が議論されている背景の中で、根本的な歯科医療体系の再構築を日歯自身が作り、国民の理解を得られるような構想を示すべきである。更に、都道府県の医療計画の基本的な考え方において、基本方針との整合性に留意の上、基本的な「理念」の記載が義務付けられた事は重大である。そこで、識者の見解を紹介しながら、わが国の医療計画の「理念」について考えたい。

 昭和47年の医療基本法(廃案)の提案理由は、医療の理念を明確にし、国民のために医療の確保のために講ずべき施策の基本を定めることだった。あれから何年が経過したのか。田中滋氏は「日本の医療制度には共有された理念がない」とし、基本的問題として、計画には「規制」と「整備」の両面があり、現状では「規制」に留まっていると言う。これは、保険局と医政局の間の政策の整合性が取られていないことで、医療法自体に理念を求めるのが難しい。「患者のために」は、医療人に課せられたミッション(使命)であり、理念とは違う。皆保険制度・フリーアクセス等は、日本医療の性質の描写であるという。医療計画は机上の空論に終わる性質を内在しているので、理想でなく現状から出発して強力に推進する体制が必要となろう。同時に、国が一律に計画を策定すると、真のニーズや技術の進歩に対応できない非効率的な提供体制となる危険性についても留意する必要性がある、と指摘している。

 印南氏は理念の必要性について 1)医療保障制度全体の統一がとれない、2)理念がないと真の問題発見が出来ない、3)理念がないと政策の優先順位が決められないと述べている。私案であるが「医療計画策定理念とは、市民・患者のニーズとディマンドを時代の背景の下に医療法に定める理念に基づき医師等関係者と市民・患者間の相互信頼の下で健康の維持増進のために科学的かつ地域特性を踏まえて計画する過程である」と位置付けた。今後、医療基本法の大理念、医療法の中理念、医療計画策定小理念と言う言葉はともかくとしても、多段的な総合的観点からの連続的定義の構想が望ましいと考える。



http://www.independent.co.jp/dt21/column.html
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2012.05.31 Thu l 歯科一般 l top
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