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http://www.inhcc.org/jp/research/news/niki/20120401-niki-no093.html#toc3

3.挨拶:2011年度日本福祉大学大学院学位記授与式での副学長挨拶(2012年3月17日)

大学院「修了」おめでとうございます。学部と違い、大学院は「卒業」ではなく、「修了」と言います。このことは間違えやすいので、今後、履歴書等を書く際に注意してください。

今年度は、修士学位取得者(以下、修士課程修了者)が76人にとどまり昨年度の89人に比べて少し減少したことは残念ですが、博士号学位(以下、博士号)取得者が昨年度の6人から10人に大幅に増え、2008年度以来3年ぶりに、2桁(10人)になりました。しかも、3つの専攻すべてで博士号取得者が生まれました。

今年度特記すべきことは、本学の現役教員、しかも激務である大学・大学院の役職者の2人(後藤澄江社会福祉学研究科長と原田正樹学長補佐)が博士号を取得したことです。この2人以外に、今年度、他大学の大学院で博士号を取得した現役教員が3人おられます(社会福祉学部の小松理佐子教授と大谷京子准教授、福祉経営学部(通信課程)の青木聖久准教授)。博士号保持が大学教員の重要な要件になりつつあることを考慮すると、大変喜ばしいことだと思います。

さて私は、大学院を修了した皆さんに、毎年、同じお話し、同じお願いをしています。

それは、大学院修了後も勉強と研究を続けることです。なぜなら、大学院修了後も勉強と研究を続けないと、せっかく在学中に身につけた研究能力がドンドン低下してしまうからです。もし修了後まったく勉強と研究をしなかった場合には、研究能力は5年間で大学院入学前の水準に戻ってしまいます。これを、研究能力の「半減期」と言います。つまり、大学院修了後も勉強と研究を続けることは、研究能力を発展させるだけでなく、維持するためにも不可欠なのです。

このことは、特に修士課程修了者について言えます。なぜなら、一応、「自立した研究者」としてのスタートラインに立ったと認定された博士号取得者と異なり、修士課程修了者はようやく研究者の「卵」になったにすぎず、それが孵化するか否かは、大学院修了後の勉強と研究にかかっているからです。

大学院修了後も勉強と研究を続ける方法は3つあります。第1は、自主的、個人的に勉強と研究を続けることです。言うまでもなく、これが基本です。しかし、人間は弱いので、1人だけで勉強と研究を続けることは困難です。

そこで2番目の方法として、本学の教員が院生OB・OG等といっしょに開いている各種の研究会に積極的に参加することをお薦めします。その大半は、大学院キャンパスで開かれています。この場合「積極的に参加する」がポイントです。研究会に受け身に参加して、先生や他の参加者の話しを聞くだけではなく、積極的に自分の意見を述べること、さらに自ら進んで自己の研究や実践について報告することが求められます。

第3の方法は、博士論文はもちろん、修士論文をさらに推敲して、全国レベルの学会で発表したり、学会誌やレフリー付きの雑誌に投稿することです。ここで注意しなければならないことは、博士・修士論文と異なり、学術雑誌の投稿論文には厳しい字数制限があることです。その場合、論文全体を無理に圧縮して1つの論文にするのではなく、博士・修士論文の中心の章に限定・焦点化して1つの論文にまとめる必要があります。もちろん、博士論文や高水準の修士論文では、複数の章をそれぞれ1つの論文にまとめても構いません。

さらに、博士号取得者は、博士論文全体をできるだけ早く(原則として1年以内に)単著として出版することを心がけてください。その際、原稿をさらに推敲するのは当然ですが、それを理由・言い訳にして、出版がズルズルと遅れないように注意してください。博士課程修了者のほとんどは、今後常勤の教職・研究職に就くことを希望していると思いますが、単著はそれを実現するための有力な武器にもなります。

大学院を修了した皆さんが、大学院で身につけた(はずの)勉強・研究方法を生かして、今後も精進されることを期待して、私の挨拶とさせていただきます。
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2012.04.11 Wed l 二木立 l top
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