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演歌の世界では、失恋した女が行く先は「冬の北国」と決まっている。しかも夜汽車だ。傷心を癒やしてくれるのは車窓を流れる雪景色。これが「南国へ飛行機で一っ飛び」だったらどうか。日差しの下では涙も出まい
▼JRの来春のダイヤ改正で、夜行急行「きたぐに」と寝台特急「日本海」が廃止されると聞き、そんな思いにしばし浸った。それはともかく、本県と大阪を一本で結ぶ定期列車がなくなる。「利用者減」が理由だ
▼「きたぐに」は午後11時前に新潟を出て翌朝7時前に大阪に着く。安心して寝ていられるのと1日をたっぷり使えるのがありがたかった。ルーツをたどれば半世紀近い歴史を誇る列車である。思い出がある方も多かろう
▼以前、大阪で働きながら上越市の通信制高校で学ぶ県人女性を取材したことがある。スクーリングに通うのに使っていたのが「きたぐに」だった。残業があっても午後11時半近くの発車までに飛び乗れば、翌朝には教室で先生や友達と会えた
▼大事故もあった。1972年、大阪発青森行きの「きたぐに」が北陸トンネルを走行中に出火、死者30人、負傷者714人を出した。列車火災としては国鉄史上空前の惨事が安全性向上に役立っていると信じたい
▼当方が「きたぐに」に初めて乗ったのは高1の春、火災の8カ月前だ。寝台車など使えぬ貧乏旅だった。満席で、デッキにいると見ず知らずの人がミカンをくれた。速くはないけど温かい。鉄道にそんな空気が満ちていた時代の遠い記憶である。旅情は歌の中だけになりつつある。
新潟日報2011年12月21日
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2011.12.21 Wed l メディアリテラシー l top
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