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【編集日記】(11月28日付)

 20世紀のイタリアを代表する児童文学作家にジャンニ・ロダーリがいる。第2次世界大戦ではレジスタンス運動にも加わった▼絵本「キンコンカンせんそう」(アーサー・ビナード訳、ペフ絵=講談社)は、そうした彼の体験が反映された作品。長引く戦争で金属が不足したところから物語が始まる。それぞれの国では、大将の命令で教会や時計塔などから鐘を集めて溶かし巨大な大砲を造った▼そして双方から大砲が発射される。だが出たのは砲弾ではなく鐘の音。互いの兵隊は平和が来たと祝い合い、逃げる大将たちの後を鐘の音が追い掛ける…と、ユーモラスに戦争の愚かさを描く▼わが国では先の戦争で実際に金属類が回収された。物量不足を補う政府の苦肉の策だったが、家庭の鍋釜から教会や寺院の鐘までもが供出された。福島市の日本基督教団福島教会会堂の鐘も運命に逆らえなかった▼福島教会は米国人建築家で社会福祉事業家のウィリアム・ボーリズが日本で初めて設計した教会。教会の鐘は惜しまれて福島を離れたが、さらに続きがある。溶かされずに残り米国に渡った後、進駐軍から教会に返還された▼会堂は登録有形文化財の指定を受けたが大震災で被災、既に解体された。ただ鐘は難を逃れ保管されている。いつの日か会堂が再建され、奇跡の鐘がまた鳴り響くように祈りたい。
 
  福島民友新聞
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2011.11.28 Mon l メディアリテラシー l top
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