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 絵本の魅力は、絵と文字が一体となって紡ぎ出す物語の世界に、すっと引き込まれることだろう。読書週間に出合ったこの一冊は、内容に加え、発刊に至るまでの、もう一つの物語が心に残った
▼岩手県宮古市田老(たろう)で育った86歳の田畑ヨシさんが、今夏出した「つなみ」(産経新聞出版)である。田老は明治、昭和の三陸大津波で大きな被害を受け、「津波太」の異名がついた漁村だ。以後、住民は高さ10メートルの防潮堤を2・4キロも張り巡らし、「日本一の津波防災の町」を築く
▼明治の津波で命拾いした祖父は、津波が来たら裏山に一人ででも逃げるようヨシさんに言い聞かせた。その言葉通り、1933年に昭和の津波が襲う。8歳のヨシさんは裏山に逃げたが、母と兄を失った
▼祖父の教えを、今度は自分の孫に語り継ごうと、津波の怖さを紙芝居にした。津波から46年後の79年のことだ。10枚の水彩画は、素朴な筆致で三陸海岸の美しさと大波のすさまじさ、家族の愛情を表現している
▼紙芝居が評判を呼び、以来、ヨシさんは「津波の語り部」として、小中学生らに演じ続けてきた。そして「3・11」。家は流されたが、紙芝居の原画は奇跡的に残った
▼これを知った大学教授らが、大震災の解説や英訳などを加え、「つなみ」が誕生した。ヨシさんは再び紙芝居を演じ始めた。「いつかきっと津波がくるのだからな」。ヨシさんが語る祖父の言葉に、子供たちはじっと聞き入っているに違いない。紙芝居から絵本へ。命を守るため、時代を超えて語り継がれる物語である。
新潟日報2011年10月30日
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2011.10.30 Sun l メディアリテラシー l top
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