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 「1等なんてやめなせ。2等で十分だ」。村上市の岩船港で言われた。粟島汽船の乗船券売り場の向こうに快晴の海が光っている。船旅を満喫するには、高速船よりフェリーでのんびりと、しかも上等な席で行った方がいいと考えたのだが、窓口氏の助言に従った
▼船会社にすれば、高い料金を払う客は大歓迎のはずなのに、なぜ? 理由はすぐに分かった。繁忙期でないから客は30人ほどしかいない。少人数用の1等船室より、大部屋の2等の方が伸び伸びできる。右の窓から左の窓へ、青い海原も眺め放題だ
▼かつて粟島には野生の馬がいた。田植え前に馬を捕まえ、田んぼの杭(くい)につないでおくと大暴れする。田んぼは自然と耕される。その間、農民はあぜ道で一服だ
▼あくせくしなかった時代の、そんな光景を、詩人で哲学者の串田孫一さんが島で聞いた話として紹介していた。「島民には自然を売って金に換えようというあさましさがない」と付け加えている。港の窓口でのやりとりを思い浮かべた
▼野生馬は80年ほど前に絶えた。村は原風景を復活させようと今春、道産子3頭を迎え、子馬が産まれた。NPOが導入した馬もいて、あちこちでひづめの音が響く。「観光だけでなく、馬ふんは肥料になる。動物との触れ合いは療養に有効で、災害時には移動手段にもなる」と村の構想は広がる
▼今、島では福島県内からの避難家族が暮らす。村の掲げる「馬のいる癒やしの島」は、再起を誓う場にふさわしい。「天高く馬肥ゆる秋」。島の空を見上げ、子馬の成長を願った。
新潟日報2011年10月28日
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2011.10.28 Fri l メディアリテラシー l top
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