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 「事実は小説より奇なり」というが、これを読み、「小説は未来に警告する」と言いたくなった。チェルノブイリ原発事故直後にドイツで発表された「見えない雲」(邦訳版・小学館)の世界は、福島原発事故で私たちが体験中のことと重なる
▼ドイツの原発で事故が発生し、避難する少女の物語だ。何が起きているのか情報がない。焦る避難者の一人が言う。「(当局は)繰り返すに決まっている。あわてることはありません、こちらはすべてを掌握していますとね」
▼どこかで聞いたセリフである。福島の事故でも情報が不足した。「直後に的確な指示があれば、放射能に余計にさらされる機会を減らせた」との声を聞く。時間の経過とともに、明らかになることが多い
▼東京電力の、「原発の事故時には、こう対処します」という手順書がようやく公開された。大半を黒く塗りつぶして国会に提出、ひんしゅくを買ったいわく付きの書類だ。国に命令されて出し直してみれば案の定である
▼電源が長時間失われることを想定していないことなどが明らかになった。「知的財産」「核物質防護」などと黒塗りの理由を挙げたが、お粗末な内容を隠したかったのだろう
▼きょうは国が定めた「原子力の日」。日本で原子力発電が始まった日である。「見えない雲」には、臭い物にふたをする大人と、被ばくした子供たちに寄り添う大人が登場する。訳者の高田ゆみ子さんは「あとがき」で書いた。「大人の考えや行動が問われている」。20年以上前の、重い一言をかみしめる日としたい。
新潟日報2011年10月26日
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2011.10.26 Wed l メディアリテラシー l top
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