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 新潟市出身の作家、坂口安吾の小説「明治開化 安吾捕物帖(とりものちょう)」を読み返した。これを下敷きにしたアニメシリーズがテレビ放映されると聞いたからだ。NSTの水曜深夜枠で、先週から始まった
▼アニメのタイトルは「UN-GO(アンゴ)」。近未来の東京が舞台だが、原作は題名通り、開化期、明治の物語である。目を引くのは、勝海舟が探偵役のひとりとして登場することだ。幕末期、江戸城を無血開城に導いた傑物である。実は、勝のルーツも越後にある
▼「北条町史」などによれば勝の曽祖父、米山検校(けんぎょう)は旧長鳥村(柏崎市長鳥地区)の生まれという。目が不自由だったが、江戸で貸金業を営み富を築く。その財力によって武士の身分を得た
▼幕府は、目の不自由な人に貸金業を許可していた。一種の福祉政策といえよう。もし、視力のハンディがなかったら、検校は越後で一生を終えたかもしれない。勝が生まれなかったら、幕末はどうなっていたことだろう
▼「捕物帖」では、「御一新」後の世相が描かれている。近代化の一方で貧民が増えた。庶民は欲望の充足に走り、旧家の人々は、家系や体面を守るため犯罪に手を染めてしまう。「歴史の示すきびしい実相をみる目を忘れた罰なのだな」。勝は嘆く
▼「3・11」以降、戦後の日本社会を評した安吾の「堕落論」を読む人が増えているらしい。時代が混乱しても自分を見失わず、しっかり目を見開いて生きろ-。そんなメッセージが心を打つのかもしれない。アニメの放映が安吾再発見につながればうれしい。
新潟日報2011年10月24日
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