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 塀のこっちと向こうで見える景色はずいぶんと違う。ましてや、バリケードの内と外となれば、なおさらだろう
▼タイの首都バンコク中心部で昨年、反独裁民主統一戦線(UDD)が「砦(とりで)」を築き、当時のアピシット政権と対峙(たいじ)した。砦の内側から取材した報道写真家、三留理男(みとめただお)さんの写真集のページを繰ると、実情の複雑さをあらためて思い知らされる
▼外側は内側を「デモ隊」「暴徒」「テロリスト」などと呼んだ。が、UDDの構成は、僧侶、農民、出稼ぎ労働者、地方政治家、ジャーナリストと多様だった。多くは普通の人々で、先鋭な活動家や過激派とは程遠かったという。今年の総選挙で政権が代わったのも、自然な帰結であろう
▼タイの洪水が広がっている。日系企業や在留邦人の被災が気掛かりだ。一方、バンコクに多いスラムの様子が伝わってこない。約10万人が住むクロントイ地区もその一つ。湿地の上に家があるところでは、床下に下水をそのまま流している。洪水の有無にかかわらず、いつも水浸しの劣悪な環境だ
▼洪水に備え、市民が食料や水の買いだめに走っているという。さながら「3・11」直後の日本である。乳幼児を抱えた母親や高齢者は行列の尻尾になった。タイでは貧しい人たちが取り残されているのではないか
▼企業の被害ばかりが大きく伝えられ、庶民の苦しみが見えてこない。7月下旬からの大雨による洪水の死者は約300人になった。塀どころか、海の向こうの出来事だからこそ、迫り来る水におびえる多くの命に思いをはせたい。
新潟日報2011年10月19日
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2011.10.19 Wed l メディアリテラシー l top
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