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http://www.kahoku.co.jp/column/syunju/20111018_01.htm

河北春秋 住まいが宮城県亘理町にあり、ことしも隣近所から郷土料理の「はらこ飯」をたくさん頂く。どれもこれも、サケの煮汁で炊いた新米の香り、しょうゆ漬けしたイクラの色が食欲をそそる▼家庭ごとに異なる味付けも毎年の楽しみで、一度に2軒分は平らげる。このところ突き出るばかりの腹。「これも秋のせい」と開き直るが、節制の怠りは隠せない。巡る季節をのろいたい気にもなる

 ▼サケといえば、この魚は産卵・受精のために2~6年海洋を回遊した後、生まれたか放流された川に戻るといわれる。土地固有の有機物や無機物が溶け込んだ水の匂いを忘れないのだという▼被災自治体の多くは今、津波浸水地域の家屋をどうするかで苦慮している。安全面からそのまま建築を認めるわけにもいかず、海岸から相当離れた土地や高台に集団移転を求める計画が専らだ

 ▼亘理町荒浜地区で被災した知り合いは言う。「どの家も事情があり、まとまった移転は難しい。町内会はくしの歯が欠けたようになるだろう」。街に染みついた匂いは、もう二度と戻らない▼浜に潮風が吹いている。サケは川を目指している。いつもと変わらぬ秋。コスモスが揺れ、チョウが揺れる。もっと目を凝らせば、震災や原発事故で人の心も空も揺れている。はらこ飯をいとおしく食う。

2011年10月18日火曜日
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