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【編集日記】(10月9日付)

 「圧倒的な事実の積み重ねの背後から、それこそ津波のように立ち上がってくるのは、読む側にさまざまなことを考えさせ、想像させる喚起力」▼吉村昭氏の「三陸海岸大津波」(文春文庫)の巻末の解説の中でノンフィクション作家高山文彦氏は、事実に向き合う吉村氏の作家としての姿勢と筆力をこう記す。確かに「三陸―」は記録文学として際立っている▼海岸に襲いかかる大津波を体験した女性の話に触発された吉村氏は丹念に資料を集め、現場を歩いて証言を記録にとどめて回った。前書きの中で「単なる一旅行者にすぎない」と謙遜するが、卓越した記録者だった▼「進行中の原発事故に関心が集まるのは当然だが、大震災では本県でも2000人近い犠牲者が出たことが置き去りにされかねない。忘れないでほしい」。浜通りの知人からこう言われて、はっとしたことがあった▼原子炉が冷温停止するのはいつか、避難先から古里へはいつ帰れるか、汚染物質をどこに置くべきか、など直面する課題や難題に取り組む一方で、大津波に関する証言や資料を後世にしっかり残すことも必要だ▼高山氏は吉村氏の文章から「記録する意志」をも感じ取ったと言う。おそらくそれは、無念のうちに人生を閉じた人々の魂に突き動かされてのものだろう。今に生きるわれわれも同じ意志を持たなければ。
 
  福島民友新聞
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2011.10.09 Sun l 日歯 l top
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