上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top
http://www.kobe-np.co.jp/seihei/0004486836.shtml

正平調
2011/09/21
出合った絵の一枚一枚が、どれも懐かしく思えた。記憶に残る「あのとき」に引き戻された感じといえばいいか。神戸市立博物館で開催中の「山本二三展」の会場を歩き、感慨に浸った◆「懐かしい」を辞書で引くと、こんな説明があった。「かつて慣れ親しんだ人や事物を思い出して、昔にもどったようで楽しい」(大辞泉)。古里に戻ったような感覚である◆しかし展示されている絵のほとんどは、自分が実際に見た風景ではない。例えば宮崎駿監督のアニメ「天空の城ラピュタ」の場面。空に浮かぶ石の城など、現実には存在しない。同じ宮崎作品の「もののけ姫」に描かれた精霊のすむ森も、ほとんど想像上の景色といっていい◆山本二三さんは、日本アニメ界を代表する背景作家である。展示されているのはアニメに使われた背景画だ。誰もが一度は目にしたことのある作品が多いが、懐かしさを覚える理由はそれだけではないだろう◆アニメの背景画には、登場人物はいない。透明なシートに描いた人物を後で重ねて撮影するからだ。見る側は無人の背景画の上に自分の姿を重ねるのかもしれない。広い草原も、古い民家の室内も、自分だけの風景として◆「絵は言葉を持たぬ詩」という。言葉をつづるのは絵を見る人自身である。背景画の達人が描いた180点の作品の中に心に響く風景があるかもしれない。神戸の展覧会がそんな出合いの場になればいい。

関連記事
スポンサーサイト
2011.09.21 Wed l メディアリテラシー l top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。