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 「鉢飛ばし」という言葉が、新潟市の下町(しもまち)にあるそうだ。夫婦げんかがエスカレートし、鉢や皿が飛ぶ、という意味ではない
▼おかずを小鉢に入れ、ご近所に持っていく。お裾分けである。下町育ちの医師で俳人の蒲原宏さんが、このほど出した随筆集「新潟うき世話」で紹介している
▼「ニシン煮たろも、ちと味見てくんねかね」。そう言って訪ね、おしゃべりに花を咲かす。昨今、こうした光景はあまり見られない。随筆集にも、下町から住宅街に引っ越したおばあさんが「鉢飛ばし」をしようとして断られ、しょんぼりする話が出てくる
▼大震災以降、家族や地域の人と一緒に食事をする機会が増えているようだ。会話を楽しみながら食べれば消化にいいだろう。同じ時間帯に顔がそろえば節電にもなる。福島からの避難者が「お世話になったお返しに」と郷土料理を作り、一緒に食べるイベントも県内各地で開かれた
▼スルメやニンジンを漬け込んだ「イカニンジン」やホッキ貝の炊き込みご飯、柏崎市のえんま市には、浪江町のB級グルメ「太っちょ焼きそば」が登場した。県境を越えた「鉢飛ばし」といえそうだ。食の交流は楽しいけれど、原発事故がなければ、福島の自宅や食堂で味わっていたはずと思うと切なくなる
▼百科事典によれば、鉢という語は梵語(ぼんご)の「鉢多羅(はつたら)」から来ているという。僧侶が托鉢(たくはつ)で施しを受けるのに用いる。鉢は食を分かち合うための器なのだ。お盆が来た。一つの鉢に箸を伸ばし、大切な人たちと食卓を囲めることの幸せをつくづく思う。
新潟日報2011年8月13日
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2011.08.13 Sat l メディアリテラシー l top
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