上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top
http://www.niigata-nippo.co.jp/nipposho/706.html

 「件(くだん)」という妖怪についての伝説が各地に残る。人偏に牛の字の通り、顔は人で胴は牛だ。悪さはしない。その予言は必ず当たるとされるが、人々に伝えると死んでしまう
▼「大豊作を志(し)らす件と伝(いう)獣なり」。1836(天保7)年の瓦版は京に現れたこの妖怪を大見出しで報じた。かつて証文の末尾に記した「如件(くだんのごとし)」には、予言の確かさから「内容に相違なし」との気持ちが込められていたという説もある
▼水木しげるさんが、日本妖怪大事典に丸顔でかわいい件を描いている。この事典などによると、天災や凶作、疫病が流行した時などに、件の絵を魔よけとして家々に張った
▼新潟市出身で災害時の風評被害などを研究している東洋大の関谷直也准教授は、「言論の自由」の視点から、この妖怪に注目する。太平洋戦争の末期、「戦争は負ける」「もうすぐ終わる」と予言する件が現れた背景の分析は興味深い
▼権力は時に不都合な事実を隠すために言論を弾圧し、偽りの情報で世論を操作しようとする。戦時中がそうだった。「大本営発表」に段々と不信が募る。そんな時、人々は「戦争よ、早く終われ」という願望を件に代弁させたというのだ
▼放射能汚染がじわじわと列島に広がる。牛、魚、汚泥-。頭を垂れ始めた稲穂には新たな検査が待ち受ける。広島に原爆が投下されてからきょう6日で66年だ。今、多くの国民が被ばくを恐れながら過ごす。真偽入り交じった情報が不安を増幅するありさまは戦時の再来を思わせる。欲しいのは正確な情報だ。件は要らない。
新潟日報2011年8月6日
..
関連記事
スポンサーサイト
2011.08.06 Sat l メディアリテラシー l top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。