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正平調


2011/07/23


まだ多くのがれきは残るが、カツオの水揚げに沸く。その宮城県気仙沼市で会った村上和子さん(29)は海沿いの会社で激しい揺れを感じた。近くの自宅などから持ち出せたのは、金庫と愛猫ミント、その餌だけだった◆駅まで送ってもらったお礼に「足りないものはないですか」と尋ねると「よく聞かれるんですが、あれもこれもないと思うと」と口ごもった◆揺れの後3階建てのビル屋上へ逃げた。押し寄せる津波に住み慣れた家が流され、引き波にさらわれた。和子さんは携帯電話のカメラで漂う自宅を写した。それが生家を見た最後になった◆吹きさらしの屋上に雪が降る。船から漏れた重油に引火し周囲は火に包まれた。高台の病院に避難していた母淑子さん(56)に「もう駄目かも。その時は強く生きてね」とメールを送った。それを読んだ淑子さんは娘を案じながら「いざとなったら遺影をどうしよう」とまで考えた◆和子さんたちはいま、祖母の家に住む。全てを流されたが、がれきの中から1枚の写真が見つかった。小学校入学時の記念写真だろうか。「むらかみていこ」と名札を付けた少女が、利発そうな目でこちらを見詰めている。東京で働いている和子さんの妹だ。「よく出てきたね」。2人は涙が止まらなかった◆震災から4カ月が過ぎ、家業のフカヒレ加工は再開のめどが立っていない。それでもこの写真は、家族の心の支えになるに違いない。
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2011.07.23 Sat l メディアリテラシー l top
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