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 仏教の作法の一つに「生飯(さば)」がある。食事の際に、ご飯の一部を取り置き、鳥獣などに施すのだという。食べ物を独り占めにせず、すべてのものに分け与える。そんな考え方が根本にあると聞いた
▼先日、テレビで曹洞宗の僧侶の食事風景を見た。1人当たり7粒のご飯が器に集められ、境内に寄ってくる小鳥に供されていた
▼まねたわけではないのだが、拙宅の庭を遊び場にするスズメたちに、数日前から少量のコメを分け始めた。2年前に逝った飼い犬が眠る墓がある。その近くに玄米ひとつまみを置く。留守番が苦手だったビーグルの話し相手になってもらおうという魂胆だ
▼カーテンのすき間から観察して分かったことがある。彼らもまたわずかな糧を独り占めにしない。一羽が数粒をついばむと、入れ替わりに別の一羽が舞い降りる。植木の枝には見張り役らしい一羽がとまる。誰に教えられたわけでもない、野を生き抜く知恵だ
▼3月11日夕から翌朝にかけて、津波から逃れた建物で、子供たちがポテトチップスなどを分け合って空腹をなだめたという記事が忘れられない。暗闇で小さなかけらをやり取りする光景を想像するだけで涙が出る
▼日本の食文化を世界無形文化遺産に登録する準備が始まった。福島原発事故で揺らいだ日本食の信頼を回復するのが狙いらしい。世界が注目するのは健康的で美しいところだという。しかし、私たちの食文化には、それ以上の価値があることが大震災で確かめられた。「独占しない」-それは既に立派な無形の財産である。
新潟日報2011年7月8日
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2011.07.08 Fri l メディアリテラシー l top
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