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 昨年4月に亡くなった井上ひさしさんは、仙台市で青春を送った。今回の大震災に遭っていたら、被災者に、世界に、どんな言葉を発したことだろう
▼「汚点」と書いて「しみ」と読ませる自伝的小説がある。孤児たちが共同で暮らす養護施設での自らの体験に基づく短編だ。主人公は幼いころに父と死別する。一家は貧しさのため、東北を転々とし、結局は離散する
▼母は居酒屋で働き、小学生の弟はラーメン店に預けられた。弟は一家の借金のため、出前までさせられる。だが、中学3年の兄に届くはがきはいつもこう始まるのだ。「元気ですから安心して」
▼はがきには、いつもラーメン汁の「しみ」が付いている。この「しみ」は、施設で安楽に暮らす自分の心の「汚点」ではないか。罪悪感にかられた兄は、自身の進学費を借金返済に充てるよう施設に頼み、弟のもとに走る
▼「3・11」で両親を亡くした18歳未満の震災孤児が200人を超えた。阪神大震災の68人の3倍以上に達する。母、父、祖父母や兄弟姉妹…。かけがえのない肉親を一人でも失った子どもを合わせたら、どれほどの数に上ることだろう
▼国は親族里親制度を充実させ、おじやおばへの養育手当を増やす考えだ。「ラーメン店の弟」や「施設の兄」のように、貧困ゆえのつらい体験をさせてはならない。しかし、何より大切なのは地域全体が孤児たちを見守り、育てる温かさである。もしそれに気付かないなら、この国は将来に暗い「汚点」を残すことになりますよ-。井上さんならこう叫ぶのではないか。
新潟日報2011年6月27日
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