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http://www.sakigake.jp/p/column/hokuto.jsp?kc=20110622ax

北斗星(6月22日付)
 昨年8月にがんで亡くなった歌人の河野裕子さんが死の前日に詠んだ短歌が胸を打つ。「手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が」

▼河野さんは病床でも手帳に短歌を書き続けた。自分で書けなくなると、家族が口述筆記した。息をするのも苦しく、言葉は途切れがちになりながらも、きっと書き取ってくれると信じ、最後の力を振り絞って詠んだのだろう

▼この短歌を書き取ったのは、同じく歌人で夫の永田和宏さん。秋田市で先に開かれた全県短歌大会で、河野さんとの最後の日々を語った。「手帳の薄く乱れた文字を見ていると、家族が必ず読み解いてくれるという信頼があったのだと思う」

▼会場は水を打ったように静まり返り、すすり泣きの音が漏れた。「河野を生かすために、私は死んではいけない。死者は生者の記憶の中にしか生きられない。一番怖いのは時間が記憶を風化させることだ」。永田さんは講演をこう締めくくった

▼東日本大震災で犠牲になった多くの人のことを思う。その一人一人に、永田さんと同様の思いを抱く家族がいることだろう。がれきの中からアルバムを探す人たちは、失った人を心に生かし続けようと懸命なのだ

▼永田さんの歌作りの心得は「読者を信頼して、えいやっと跳ぶ」こと。表現は時に、決死のジャンプになる。被災地を置き去りにし、政争に明け暮れる政治家に、復興に向けた決死の覚悟があるのか。「えいやっ」と垣根を越える気構えが欲しい。

(2011/06/22 09:37 更新)
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2011.06.22 Wed l メディアリテラシー l top
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